凡人エリックの blog

いちこくみん「エリック」の思いを伝える場

テレビ局は相変わらずの政権擁護ばかり。今こそ存在意義が問われる。

相変わらずのことだが、日本のテレビ局は政権(自民党)に対して甘すぎる。マスコミにとっては「権力者監視」が本来の使命なだけに、存在意義が問われる、というよりもはや疑われている。

この件については過去にツイッターで何度も述べてきたが、コロナ禍が深刻になった昨今でも政権に対して擁護・忖度的な報道をしているのは本当に呆れた。

 

既存メディアの中でテレビは他の新聞・ラジオ・雑誌などと比べて影響力が非常に強い。それは映像で示すからだ。活字だけだと納得・信用できない人も、映像を見せつけられればとりあえず納得するもの。まして昭和の世代はテレビを見て育った映像世代ともいわれる。だからこそテレビ局には、その影響力をあらためて自覚してもらいたい。

 

最近のコロナ禍においては、東京都小池百合子都知事橋下徹氏、特に大阪府吉村洋文知事がよくテレビ出演している。連日そういう状況が続くと、コロナ対策がうまくいかない、空虚なパフォーマンス・言動が目立っていても、「よく頑張っている」と思い込んでしまう人が多くなる。これはテレビ映りの良さによるものだろうが、日本人は勤勉に見えて、意外と物事を深く考えない傾向があるだけに要注意だ。

 

一方で岩手県和歌山県山梨県島根県などはコロナをうまく封じ込めている部類で知事も高評価されているが、なぜか彼らは吉村府知事や小池都知事ほどテレビでは見られない。中でも島根県の丸山達也知事は「東京都や政府の新型コロナ対策は不十分」「五輪を開催して感染再拡大すれば島根の飲食業の廃業が相次ぐ」「五輪開催を前提とした聖火リレーは現状では中止せざるを得ない」などと文句なしの正論を述べてきたはず。だがネット上では拍手喝采ながらもやはりテレビではあまり見かけない。それどころか、自民党竹下亘元総務会長からは「注意」という名の「圧力」を受けていた。最近になって条件付きとはいえ聖火リレーに賛同するようになったが、これは補助金の打ち切りを示唆されたからと予想される。とんでもない話だ。

 

昨今のテレビをはじめとする報道については、政府自民党からかなり監視されているといえる。例えば2014年衆院選の際には、萩生田光一氏が「公正中立」発言をしていたが、メディア側は圧力と受け取り、同選挙において自民党を利する報道が目立つようになり、その後の国政選挙でも同様な事態が続く。2016年には高市早苗氏がテレビによる偏向報道をなくすために「停波発言」を出したが、テレビによる政権忖度・擁護が目立つようになったのはこれが決定的だったと思う。その証拠にニュースや情報番組などで厳しい政権批判を続けてきたコメンテーター・ジャーナリストは突発的な番組降板などの形で容赦なく排除されてきた。

 

こうした圧力もあり、テレビ番組では政権に逆風が吹いたような時には高確率で芸能人のスキャンダル報道が重なる傾向がみられる。その影響もあってか、モリカケ桜、甘利明氏による賄賂騒動、総務省接待問題などの政権スキャンダルはまともに報じられず、逆に韓国の政治スキャンダルの方が扱われるありさま。東京五輪にしても、中止・延期を求める声が多いと報じながらも、どこか政府に対して遠慮が感じられる。コロナ対策についても「まん延防止」をちょっと前までは「マンボウ」と連呼、効率の悪いマスク会食を美化、レインボーブリッジや通天閣を赤くライトアップするパフォーマンスに興奮するなど、悪ノリが目立つだけ。これが本当にテレビ局の仕事なのかと呆れてしまう。

 

これでは若者を中心にテレビ離れするのは当然。今ではツイッターなどSNSが情報収集で重宝されつつある。テレビ局の人々はこうした現実に危機感を持つべきではないのか。中でも上層部は高級料理やパンケーキでつられている場合ではない。せめて今年中に予定されている衆院選では、自公政権を利するような報道姿勢はとらないようにして、本当の意味で中立公正であってほしい。